東京シェイクスピア・カンパニー(TSC)は。。。
 シェイクスピア劇はコンテンポラリー・ドラマであり、シェイクスピア以上に面白い芝居はない!という信念の基に1990年に設立された。シェイクスピ ア劇は学者の為のものではなく、芝居人の為のものであり、観客の為のものである。TSCの芝居を観た観客は、シェイクスピアが’身近’で’おもしろ い’ものだったことに驚いている。言葉の絶対性を主張するシェイクスピアの芝居は、間を重んじる日本文化のもとに培われた日本人の生理に合いにくかっ た。しかし日本もいよいよ言葉で語り、言葉の音楽性を楽しむ時代に突入している。シェイクスピア劇のダイナミックな感情・運命の展開を言葉で表現できる 世代が出現してきている。
 シェイクスピア劇のセリフの音楽性を重視して、音楽も全てオリジナル曲の生演奏、一度幕があいたら暗転することなくスピーディーに展開していく。観客 の聴覚を徹底的に刺激し、人間が本来持っている’想像力’を稼働させるのである。脚本はバイリンガルであり、シェイクスピア学者でもある主宰自らが一語 一句意味合い、リズム、芝居全体に流れている象徴性を考慮し翻訳している。1995年のエジンバラ・フリンジ・フェスティバルでは、TSCの「マクベ ス」は’「マクベス」の精神を捉えたユニークな演出’と、TV、新聞で話題になった。ジャパノロジー入門のパフォーマンスではなく、まさに’シェイクス ピアの「マクベス」である、と本国で評価されたわけである。 突入している。シェイクスピア劇のダイナミックな感情・運命の展開を言葉で表現できる 世代が出現してきている。
TSCの柱:メンバー&活動について
<メインメンバー>
 TSCは劇団ではない。よってシェイクスピアが描いたあらゆるキャラクターを演じる役者を芝居によって自由に選べる。シェイクスピア劇の舞台に立てるの は、訓練されたセリフ術を会得している役者のみである。かつ大きな感情のうねりを表現でき、ある瞬間突然運命の大逆転を全身で感じることが必要とされ る。今現在は、専属1人、準メンバー的役者は8人ほどである。
 音楽は全てオリジナル、かつ生演奏である。主宰江戸馨と大学時代からの仲間でもある佐藤圭一が芝居ごとに作曲し、時にはバンドを組む。彼は元来はウード 奏者として’おしゃれジプシー’というバンドを率いているが、TSCの公演では必ずテーマ曲はリュートで弾くことにしている。
 スタッフ・ワークは毎回同じである。音楽の佐藤圭一はじめ、照明の関嘉明(日高照明)、衣装縫製の嘉本洋子(衣装デザインは主宰江戸馨)、宣伝美術のや ましたまこと、制作の松尾伸彦・小口宏は設立以来のメンバーである。
<活動の柱>
 本公演:TSCでは年に1回ないしは2回の本公演を行っている。本公演の大きな柱は2つあり、一つはシェイクスピアのストレート・プレイ、もう一つ は’鏡の向こうのシェイクスピア’シリーズと題し、シェイクスピア劇を題材にしたオリジナル戯曲の上演である。これまでに脚本は芥川賞作家である奥泉光 氏が三本、TSCの為に書き下ろしている。「リヤの三人娘」、「マクベス裁判」、「そしてリチャードは死んだ。」である。主宰も1本書いており、「ヴェ ニスの商人」のその後編「ポーシャの庭」がそれにあたる。
 朗読会・月夜のチューダー猫シリーズ:TSCではこれまでにあらゆる場所でシェイクスピア劇のアンソロジーの朗読会を行ってきた。場所は志木のルシア ス・ホールであったり、渋谷のZA HALL であったり、公的機関からの依頼公演であったりと様々であった。朗読会の目的は一人でも多くのシェイクスピア・ファンを増やしたい、という思いから始 まった。現在では一昨年の2003年7月より明大前のキッド・アイラック・アートホールで定期的に、ほぼ二か月に一度のペースで朗読夜会を開催してい る。ワン・ドリンク付きで、解説や過去の名舞台に関するトークも交えたサロン風朗読会は’大人のための知的で贅沢なひととき’と好評である。番外編とし て、2005年3月には横浜のアートライヴ祭に「女達の薔薇戦争」で参加する。
おいら
「主宰近影」